京からかみ「唐長」 三条サロン

ふーみん

2010年01月29日 15:59

今回の京都の旅でぜひとも訪ねたかったのが
京唐紙の老舗「唐長(からちょう)」さんでした。
唐紙というのはふすまなどに使われる紙で
和紙に版木によるさまざまな文様が刷られているもので
京都御所や桂離宮にもここの唐紙が使われています。
唐長の創業は江戸時代で、現在は京都に唯一残った京からかみの店。
火事で貴重な版木を失ったり、ビニールクロスなどの化学系素材の
台頭で多くの店が廃業していき、現存する一軒になってしまったのです。


私は家を建てられることがあれば、
この唐長の唐紙をどこかに使うのが夢です。

最近はふすまだけでなく、壁紙のように張ったり、
パネルやランプシェードにしたりと
いろんなインテリアアイテムとして唐紙を活用するの
がちょっとしたブームにもなっています。

そのいい実例を見れるショールームが
京の町中の烏丸三条の近くにある
唐長三条サロン

←三条サロンの外観。




なかはこんな世界が広がっています。
ちょっと暗めなので写真が分かりづらくてすみません。




またまた性懲りもなく着物で登場して失礼しました


サロンは唐紙利用のショールームでもあるため
ふつうなら紙モノを使わないような場所にもつかっています。
キッチン前面の壁、水が飛んできてもいいように特殊な樹脂で挟み込んでいるそうです。


天井壁だけでなく、洗面台にも使ってます。
と言っても紙では洗面台は作れないので、これも唐紙を挟み込んでいます。

↑洗面台のアップ

シダをイメージした文様・信夫(しのぶ)
唐長十一代当主の奥様の好きな模様。
ここのサロンはこの奥様のプロディースで
ご自分の好きなアンティークと唐紙をコラボした
コーディネートになってます。





和紙など紙類が好きなこともあるのですが、この文様そのものに興味がありました。
中国や大陸から伝わった古典文様がもとになっているそうですが、
長い間の歴史の中でいいデザインが残されてきたからでしょう、
古さを感じさせない(いやそれよりモダン)な柄が多いのです。

このランプシェードに描かれた模様。
花柄のようにも見えるし、ルイビトンの模様の
ようにも見えますが、
「南蛮七宝」という古典的な柄なんですって。

私はこの柄のペーパーを唐長の別のショップで
お土産に買って一筆箋や
自宅セミナーの時の菓子置きに愛用しています。
その記事はこちら
http://roomstyling.i-ra.jp/e177579.html




これが版木です。



この三条サロンではこの二冊の本を買い求めたほか、
毎月季節の唐紙の小片がついたお便りを送ってもらう会員に登録してきました。

本は今読んでいる最中ですが、長い歴史と伝統を守りながらも
このサロンのような革新的な取り組みもしている現代当主の話に
いろいろ考えさせられることばかりです。

関連記事