設計図を暮らしに即して翻訳

ふーみん

2007年03月16日 14:11

昨日設計士さんと施主さんの調整役をしていると書きましたが、もう一つプランニングの上で私がやっていることがあります。一言で言えば通訳です。





施主さんの希望が設計士さんにうまく汲んでもらえてない時は気持ちを代弁しますし、反対に設計士さんのプランニング意図を代弁することも。設計士さんや職人さん達はつい専門用語が出てきますので、施主さんにわかりやすくかみ砕いて説明し直したりします。





仕事にかかわる多くのスタッフの中で経験4年目の私は若輩者。だからこそ施主さんに近い立場だと思って、施主さんと他のスタッフの通訳役を務めています。





 言葉で通訳するだけでなく、プレゼンボード(左写真)も作ります。設計図だけではできあがりのイメージもできないので、パース(3Dイラスト)やスケッチを描いたり、参考写真などをつけて施主さんに見てもらいます。











 ある施主さんの奥様が工事の途中で収納をもっと増やしたいと言ってこられました。プラニングする際には事前にお客様の家財持ち物をリストアップしていただき、家具などのサイズを測り、写真をとって量を把握しています。私達からみるとこのお宅も収納スペースはもう充分に確保されていました。しかし、よくよくお話を伺ってみると、作った収納スペースにどれだけの物が納まるのかボリューム感がつかめず、どんどん形になっている家を前にして不安が再発したようでした。





設計士さんの描いた図面の中には平面図や展開図でどこにどんな収納があるか示してあるのですが、それをみてスケールやボリューム感を把握するのは素人さんには難しいこと。どうしたら奥様に分かっていただけるか悩んだ末、各収納スペースに物を入れた状態のイラストを描いていきました(右写真)。 この押入にはふとんが何組入る、クローゼットに洋服が何着かけられるかコメントを入れ、更に通販カタログから参考になりそうな収納お助けグッズの写真を切り取って貼り、こうした商品を使えば押入の下も有効に使えるとか、靴が2倍入りますなどのアドバイスも書き加えました。奥様は「これだけ入るなら大丈夫。この絵を見ていると新居での生活をイメージできて楽しい」と喜んで下さりました。























 この出来事以来なるべくお客様との打合せではスケッチを描いて伝えるようにしています。絵は下手くそで、人は針金人間しか描けません。CDAソフトを使ってしっかりした絵を描こうと画策したこともあるのですが、パソコンが苦手なため操作をマスターするのも容易ではなく、結局手書きばかり。そんな私のイラスト図面も「味があっていい」と言ってくださるファン(?)も出てきて、最近これでいこうと決めました。



そして色鉛筆を握りしめ、今日もせっせと設計図をお客様の暮らしに即したイラスト図面に翻訳しております。


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