昨晩落ち込む出来事があった。
昨年末から打ち合わせを蜜に重ねプランニングをしてきたリフォームが
金額が合わなくて話が白紙になってしまった。
お客様だって悪気のあってのことでない。
本気でいい家にしたいと思っていたからこそ、
忙しい合間をぬってこれまで打ち合わせしてきたのだ。
(先日も午前10時から午後3時すぎまで食事もせず何も飲まずに打ち合わせ。
私も大変だが相手だってそれは同じ。ある種この方の妥協の無さは尊敬に値する)
お客様も今後何か工事をすることになったら今回私が紹介した施工会社を
使いたいと言ってくれたし、私の整理収納サービスなども今後利用したいと言ってくれた。
誰も悪いわけではないのだが、だからこそやり場のない気持ち。
この大きな仕事ために声をかけていただいても断ってきた仕事も少なくない。
失った仕事や時間ももったいないないが、
それよりお馴染みさんに不義理をしてしまったこと、
そして何よりも今回見積を取るために動いてもらった業者の方々に申し訳なくて…。
夕べ取り急ぎ報告とお詫びの電話をした業者さんは
「こういう事はよくあることだから気にしないで」と言ってくれたが、
内心落胆は大きいはず。
今回通常のケースよりも何回も現場に足を運び、私の相談にのり、
プラン変更があるたび何度も見積をしていたから
もう仕事が取れる気満々だったと思う(私だってそうだ)。
建築の見積というのは出来上がっている商品を買うのとは訳が違う。
プランニングをしたものを図面に書き起こして
それをもとにどんな材料がどれだけいるか、
職人の仕事量など、細かい計算を積み重ねないと出てこない。
たった一枚の見積書をまとめるために複数の業者に見積依頼をしないといけない。
見積無料は業界の慣わしだけど、作業量としてはサービス範囲を超えている。
みんな気軽に「ちょっと見積もってよ」とか「早く金額教えてちょうだい」と言うけど、
そんな簡単なことでない。
私はお客様から見積催促を受けて、業者に催促の電話をする時には毎回本当に辛い。
自分も独立前に施工会社に勤めていたので、見積作業の大変さは骨身にしみている。
昼間は現場で働き夜に見積を作っている業者の方々の忙しさもよくわかっている。
建設業界も見積の分かりにくさや不明瞭な部分など、
もっとお客様に理解を得やすいように努力が必要だが、
世の中の方々もその点を理解していただければとも思う。
見積をさんざんしても仕事がとれなければ、会社にお金は入らない。
私のように一人でやっていれば自分が我慢すればいいが、
人を使っていれば給与は払わないといけない。
取れなかった仕事の分の経費をどこかで埋め合わせをしなければならないが、
そうするとそれは他のお客様の工事の売上から捻出するしかない。
見積無料でなく、契約に至らなかった場合は必要経費だけいただきますと
いうように社会が変わってくれば、建築費はもっと安くなると思う。
やり場のない気持ちをこのブログで愚痴ってしまって申し訳ない。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
経済評論家でいろんな分野で活躍し、出す本全てベストセラーの
できる女で有名な勝間和代さんは、
セレンディーピティーという言葉をよく使う。
偶然の中から幸福を見つけ出す力という意味。
それは一見すると最初は不幸な出来事の顔をしてやってくる場合も多い。
今回の出来事の中から私が何を学べるか、今後にどう生かし、
迷惑をかけてしまった業者の方々に恩返しできるか…
セレンディーピティーを心の中で何度も繰り返して、
気持ちを切り替え午後から別の仕事に出かけよう。